顎骨欠損治療

口元に手を当てる男性

再生医療の力を用いた顎骨欠損治療

私たちの歯は2種類の硬組織(歯槽骨・セメント質)と、2種類の軟組織(歯肉・歯根膜)からなる歯周組織に支えられることで、歯としての機能を維持しています。
そのため、歯周病や外傷などにより歯槽骨・顎骨など、顎の骨が欠損すると、食べる・話す・容貌などに悪影響を及ぼします。
通常の治療では歯槽骨や顎骨の欠損は、再生するまでには至りませんが、当クリニックの再生医療では顎骨欠損の治療を行い、噛む力を取り戻すことを目指せます。

この治療は、自己脂肪由来間葉系幹細胞という幹細胞を用いて行う治療です。患者さまご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を使用するため、アレルギー反応などのリスクが少ないことが特長です。

対象となる方

  •  歯槽堤萎縮症
  • 歯周炎
  • 根尖性歯周炎
  • 顔面外傷

上記に起因する顎骨欠損と診断された方

間葉系幹細胞とは

脂肪・骨髄・歯髄といったさまざまな組織から分離・培養することで増やすことができる幹細胞です。間葉系幹細胞は分化により組織再生に参画したり、成長因子やサイトカインを分泌して組織再生を促進することが示されています。
さらに炎症を抑える作用や過剰に働いている免疫を抑制する効果があることなどが報告されています。これらの作用によって、歯周病症状の改善や破壊されてしまった歯槽骨・顎骨の再生効果が得られる可能性が期待できます。

※サイトカイン:細胞同士の情報伝達作用を持ち、特異的な受容体に結合することで免疫反応の増強・制御・細胞増殖・分化の調節などを行う。

顎骨欠損再生治療の流れ

患者さまを第一に考え、事前説明やカウンセリングはもちろん、十分に時間をかけて治療に向けた準備を行います。

お口の状態確認と原因治療

顎骨を失った原因を診断し、治療を開始します。
お口の中の疾患に関する治療やその疾患の原因であるお口の中の細菌環境の検査・診断を行い、骨減少を引き起こす細菌の特定と治療を進めます。

STEP
1

検査

血液検査・感染症の検査・CT・レントゲン撮影を行います。
その後、歯科医師から十分な説明をお聞きいただき、患者さまの合意を得た上で次のステップに進みます。

STEP
2

脂肪の採取

患者さまご自身から採取した脂肪から抽出される脂肪由来幹細胞を使用します。脂肪採取は当クリニックと同一法人の銀座エルディアクリニックにて行います。
局所麻酔の後に脂肪を採取し、細胞培養に必要な血清成分を抽出するための採血を行います。採取した脂肪などは委託先へ送られます。

STEP
3

脂肪由来幹細胞の培養

採取した脂肪は当クリニックと契約しているコージンバイオ株式会社へ送られ、たんぱく質を分解する酵素を用いた処理により脂肪由来幹細胞を分離し、約2週間をかけて細胞培養という操作で脂肪由来幹細胞が必要数になるまで増やします。
その後、その細胞の品質に関する検査を行なったあと凍結状態で当クリニックに運ばれ、治療に使用されます。

STEP
4

欠損部分への投与

体内に吸収する材料と細胞を混ぜたものを直接患部に投与する治療を行います。投与した間葉系幹細胞は、骨をつくる細胞へ変化するほか、炎症を抑え、血管新生や組織修復を促すことで、患部の回復を助けます。

STEP
5

経過観察

本治療の安全や有効性の確保、患者さまの健康状態の把握のため、本治療を受けた日から24か月後まで定期的に通院していただきます。診察やレントゲン検査、歯牙動揺度検査などを行い、経過を観察していきます。通院が困難である場合は電話連絡などにより対応します。

STEP
6

インプラント治療

CTなどの検査で顎骨の状態を確認します。骨が十分に再生されたと判断できれば、インプラント治療へと進みます。
インプラント治療が終了した後も、必要に応じて定期的な受診が必要になります。

STEP
7

費用について

カウンセリング・事前検査・脂肪採取・細胞培養・細胞投与の費用等を含みます。
なお、インプラント治療にかかる費用は別途必要となります。

内容標準料金(税込)
診断料33,000円
定期検診料1回:5,500円
1回1,100,000円~1,650,000円

治療についてのQ&A

それぞれ処置にかかる時間はどのくらいですか

状況により異なりますが、脂肪採取は約1時間、細胞投与は約3時間かかります。

痛みはありますか

局所麻酔で行いますが、歯肉をめくって骨を削るので少し痛みや腫れがある場合があります。術後は痛みを緩和するために鎮痛剤などの処方を行いますのでご安心ください。

どのくらいの通院が必要ですか

  • 検体(脂肪・血液)を採取(1回)
  • 細胞を患部に投与(採取から3週間~1か月が必要)
  • 投与後の経過観察は2年間

またインプラント治療のための通院も必要になります。回数については担当医師にご相談ください。
なお、入院の必要はありません。副作用はありますが患者さまご自身の細胞検体(脂肪・血液)を用いる治療のため、アレルギーや拒絶反応のリスクなどは少ないと考えられています。

この治療を受けるための基準はありますか

本治療は患者さまご自身の脂肪組織の採取が必要であり、他人の脂肪組織は使用できません。処置中または処置後の合併症および副作用が起こる可能性があるため、以下の基準に該当する患者さまは本治療の対象外となります。

  • 治療中および治療後に、継続して通院できない方
  • 治療の同意が得られない方
  • 感染症検査でいずれかひとつでも陽性が確認された方
  • 感染症危険情報が発出中の海外地域に渡航し帰国後4週間経過していない方
  • 妊娠中の方
  • 処置に必要な抗凝固法の薬剤を中断できない方、局所麻酔・消炎鎮痛剤・抗生物質などにアレルギー歴のある方
  • 敗血症、出血傾向または感染症があらわれるリスクが高い血液疾患の合併症または疑いのある方
  • 慢性疾患により薬物を使用している方
  • その他、担当医が適さないと判断した方

また以下の基準に該当する患者さまは、本治療を受けることができるかについて十分な問診や診断などを行い、慎重に判断します。

  • 70歳以上の方、医師が健康状態を診断した上で親族(代諾者)の同意が必要
  • ペニシリン、ストレプトマイシン、アムホテリシンBへのアレルギー反応を起こしたことのある方

担当医師 西野 雄大

近年再生医療は目まぐるしく発展をとげ、臨床現場でも多くの症例が報告されるようになってきました。
当クリニックでは患者さまご自身の脂肪から顎の骨を再生させる幹細胞を抽出し、その幹細胞を顎の骨に移植することによって骨を再生させる顎骨の再生医療を行なっています。
些細なお悩みでもお気軽にご相談ください。

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