こんにちは。寒竹歯科医院です。
皆さまの中には、「歯は何度でも治療できる」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、1本の歯が治療できる回数には限りがあり、むし歯やトラブルのたびに歯を削ったり詰め物をしたりしていると、徐々に歯質が失われていきます。
今回は、1本の歯が治療に耐えられる回数の目安や、歯を守るための生活習慣についてお話しします。
1本の歯が耐えられる治療回数
一般的に、1本の歯が治療に耐えられる回数はおおよそ5回が限度とされています。
もちろん個人差はありますが、治療を重ねるたびに歯の強度は低下していくため、「トラブルのたびに何度でも治療すればいい」といった考え方には注意が必要です。
治療を繰り返すと最終的には抜歯につながる可能性があり、むし歯の再発（二次カリエス）を防ぐ意識を持つことが大切です。
治療済みの歯に潜む主なリスク
治療が終わった歯は見た目が元通りでも、異変に気付かないうちに状態が悪化している場合もあります。
特に以下のようなトラブルには注意が必要です。
むし歯の再発
詰め物と歯の間にできたわずかな段差に歯垢がたまりやすく、その部分の下でむし歯が進行するリスクがあります。
痛みが出にくいため発見が遅れやすく、再治療の際にはさらに歯を削る必要があるため、歯の厚みや強度が一層低下してしまいます。
根管治療後の再感染
根管内を完全に消毒しきれなかった場合や詰め物の劣化などによって、すき間から細菌が再侵入すると、歯根に膿がたまり、痛みや腫れを引き起こすことがあります。
再治療や抜歯が必要になる場合もあるため、治療後は、適切なケアと定期的なレントゲン撮影によるチェックが欠かせません。
歯を削ることで生じるリスク
治療は「歯を守る手段」である一方、健康な歯質を削るという負担も伴います。
治療を重ねるごとに、以下のようなリスクが生じます。
- 強度低下による破折
薄くなった歯は、噛む力でひびが入りやすく、割れやすい - 再感染のリスク
歯が薄くなることでむし歯や、歯周病などの再感染に対して弱くなる - 寿命の短縮
再治療のたびに歯質が減り、歯そのものの寿命が短くなる
今日からはじめる、歯を長持ちさせる習慣
正しいセルフケアの徹底
歯ブラシは歯と歯茎の境目に対して45度の角度で当て、1本ずつ小刻みに磨きましょう。
仕上げにフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間にたまった歯垢をしっかり取り除くことで、細菌の数を大幅に減らせます。
特に、就寝前の丁寧なケアが翌朝の細菌の増加を防ぐのに効果的です。
歯科医院での定期メンテナンス
痛みのない初期のむし歯や歯周病はセルフチェックでは見逃しがちです。
3〜6か月ごとに定期検診を受け、レントゲン撮影による詳細のチェックや専門的なクリーニングを受けることで、歯を削る治療が必要になる前に予防できます。
まとめ
治療後の歯を守るためには、むし歯や歯周病を再発しにくい口腔環境を整えることが大切です。
むし歯や歯周病は「細菌の数」と「磨き残しが長時間残ること」によって進行するため、毎日のケアや生活習慣を見直すことが、歯を守ることにつながります。
当院では、歯への負担を抑えて再発を防ぐために、丁寧な治療を行なっています。治療に不安のある方も、どうぞお気軽にご来院ください。
