初期むし歯 再石灰化

こんにちは。寒竹歯科医院です。

3月1日は「再石灰化の日」でした。耳慣れない方もいると思いますが、酸によって溶け出た歯の成分が唾液によって修復されることを「再石灰化」といいます。
今回は「再石灰化の日」にちなみ、むし歯から歯を守る再石灰化のメカニズムや、再石灰化を促進する方法などをお話ししていきたいと思います。

再石灰化のメカニズム

食事をすると口の中が酸性になり、歯のエナメル質からカルシウムが溶け出る「脱灰」という現象が起こります。一方で、唾液にはリンやカルシウムなどのミネラル分が含まれることに加え、酸の力を弱める作用もあるため、エナメル質を修復する「再石灰化」という自然治癒現象も起きています。

このように、口の中では「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されており、このバランスにより歯の健康が保たれているのです。そのため、なんらかの要因で「再石灰化」よりも「脱灰」が進むようになると、歯の修復が間に合わなくなり、むし歯が進行してしまいます。

初期むし歯は治る!?再石灰化を促進するには

初期むし歯とは、よく歯科健診で耳にする「CO(シーオー)」のことです。「C」はむし歯を意味するカリエス(Caries)で、O~4は、むし歯の進行度を表しています。
「O」は数字のゼロではなく、「オブザベーション(Observation)=観察」からきた「オー」で、COとは「要観察歯」のことを言います。

要観察歯は、歯の表面が白く濁ってしまう程度の初期むし歯なので再石灰化を促進すれば、修復することができます。
そのためには、歯の表面が唾液に触れるように清潔にしておくことが大切です。
就寝時は唾液の分泌が減少し再石灰化が起こりにくくなります。寝る直前には甘い食べ物を避け、歯をよく磨きお口の中を清潔にしておきましょう。

念入りのケアで再石灰化を促進させよう

フッ素やハイドロキシアパタイトなどの再石灰化を促進させる成分を配合している歯磨き剤を積極的に使用することも、むし歯予防に効果的です。
初期むし歯のうちにホームケアで再石灰化を促せば、むし歯の進行を抑え、修復することが可能です。
歯と歯のすき間や、歯と歯ぐきの境目、汚れがたまりやすくなっています。そのままにしておくと再石灰化が起こりにくくむし歯になりやすいので、デンタルフロスなども利用して、念入りにケアをしてくださいね。