こんにちは。寒竹歯科医院です。

9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。
1994年「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」、また9月を「世界アルツハイマー月間」と制定し、認知症への啓蒙活動が行われています。
今回は、「歯周病とアルツハイマー型認知症」について紹介したいと思います。

アルツハイマー型認知症とは?

アルツハイマー型認知症は、認知症のなかで最も発症割合が多く、記憶力や判断力に影響を及ぼす病気です。
主に65歳以上の高齢者に発症し、症状は徐々に進行していきます。
初期段階では、ささいなことから記憶があいまいになったり、物事の順序や判断が難しくなることも。
さらに進行すると、人や場所の認識が困難になり、日常生活の基本的な活動もできなくなっていきます。

アルツハイマー型認知症は、脳内に「アミロイドβ」や「タウタンパク」というたんぱく質が異常に蓄積することで発症するといわれています。
しかし、たんぱく質がなぜ脳内で蓄積するのか、その明確な原因は現在も解明されていません。
そのためアルツハイマー型認知症を予防するには、今できる生活習慣を見なおすことからはじめる必要があります。

アルツハイマー型認知症と歯周病の関係性

歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位で、国民の約80%が歯周病の疾患または予備軍といわれています。
歯周病は口内の問題だけではありません。心筋梗塞や脳梗塞などの全身疾患を引き起こす可能性がある病気でもあります。

歯周病はアルツハイマー型認知症を発症・悪化させる原因のひとつ

前述したとおり、アルツハイマー型認知症はアミロイドβなどのたんぱく質が脳内に蓄積することで発症します。
蓄積の原因は不明ですが、九州大学のマウスを用いた研究により、歯周病菌がアミロイドβの生成・蓄積を促進していることが明らかになりました。
この研究によって、歯周病がアルツハイマー型認知症を悪化させる原因のひとつであるということがわかったのです。
ですが、歯周病だからといってすぐにアルツハイマー型認知症を発症するわけではありません。
アミロイドβは長い年月をかけて蓄積し、認知症を発症します。
早いうちから歯周病ケアを行い、アミロイドβの生成と蓄積を防ぐことが重要です。

■参考:九州大学
※リンク先 https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/466/

歯周病ケアでアルツハイマー型認知症の予防を

歯周病は歯の周り「歯周組織」の病気で、細菌(歯周病菌)によって引き起こされる感染症。
「お口の環境」「生活習慣」「全身の状態」など、歯周病発症の原因はさまざまです。
歯周病の予防には、ブラッシングによるお口の清掃(プラークコントロール)で、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)や歯周病菌を取り除くことが重要になります。
ブラッシングだけでは除去が難しい奥歯や歯間部のプラークには、デンタルフロスや歯間ブラシ、液体ハミガキや洗口液を使用するなどの「歯周ケア」に取り組みましょう。

まとめ

今回は歯周病とアルツハイマー型認知症についてご紹介しました。
歯周病はアルツハイマー型認知症を発症・悪化させる原因のひとつのため、日頃から歯周病を予防することが重要です。
毎日のブラッシング・歯間ケアに加えて、定期的な歯科検診の受診を心がけましょう。
歯周病の早期予防が将来の健康につながります。